テレビ局のアナウンサーに内定していた女性が、銀座のクラブでのバイト歴を申告しなかったことを理由とする内定取り消しに対し、地位確認訴訟を起こしたことが話題になっています。
本稿では、従来から争われている「学歴詐称を理由とする懲戒解雇の可否」を取り上げます。
ほとんどの会社は、採用にあたり履歴書を提出させて、学歴を記載させます。
そして、就業規則の中で、重要な経歴詐称を懲戒処分(解雇)の理由に挙げています。
なお、就業規則になかった場合には、懲戒解雇はできません。
一般的に、裁判所は懲戒解雇を厳しく判断していますが、学歴詐称を理由とする懲戒解雇は認められやすいといえます。
会社を騙す行為自体から信頼関係が失われますし、経歴内容は労働力評価に大きな影響を与えるからです。
もっとも、実際に、懲戒解雇を行うことは結構大変です。
採用条件(大卒、高卒以上)を明確にし、面接時に履歴書の記載について質問をしておくことで、入社後に詐称が判明した時、任意の退職を促す等の対処がスムーズになるでしょう。