別荘や空き部屋を、インターネットで仲介するサービスが行われています。
安く旅行したい人や、日本の民家に泊まりたい外国人旅行者には、魅力あるサービスでしょう。
しかし、新しいビジネスが、旧来の法規制と相いれないケースもあります。
旅館業法は、「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」を旅館業と定義し、旅館業を行うには都道府県知事の許可が必要です。
部屋数、広さ、衛生基準が定められているほか、宿泊者名簿を備える必要があります。
無許可営業には、刑事罰が課されます。
2014年5月、都内の自宅の一部を改築して簡易宿泊所として提供していた男が、旅館業法違反で逮捕されています。
上記の仲介サービスは、旅館業法に抵触する可能性が高いです。
仲介サイトで予約したお客さんは、有料で宿泊するのが通例でしょう。
その場合、部屋のオーナーの行為は「旅館業」にあたります。
個人が旅館業の要件を満たすことは難しく、営業許可を取っていない以上、アウトです。
もっとも、上記のような仲介サービスが出てきた背景には、そうしたニーズがあるからです。
インターネットの発達により、部屋を貸したい人と借りたい人をつなぐことも可能となりました。
旅館業法は、インターネットによる仲介サービスを想定してはいません。
もちろん、衛生面や治安面に配慮した規制は必要とは思います。
しかし、新たなビジネスチャンスをつぶしてしまうのは勿体なく、立法による手当てが望まれます。