中小企業・小規模事業者
当事務所は、中小企業・小規模事業者を応援しています
わが国の中小企業の数は385万にのぼり、大企業も含めた企業全体の99.7%を占めています(中小企業庁2013年12月発表資料)。
さらに、中小企業のうち334万社を、小規模事業者が占めています。
これまで、中小企業・小規模事業者の経営者の方がリーガルサービスを受けるためのアクセス、情報は十分ではありませんでした。
当事務所では、中小企業・小規模事業者に向けてのリーガルサービスを提供しています。
法律顧問サービス
主なサービスは、大きく3つに分けられます。
(1)日常的な法律相談
- 契約書のチャックをしたい。
- 取引交渉を有利に進めたい。
- 従業員との労務問題を相談したい。
といったときに役立ちます。
経営者様、総務担当者様のご負担を軽減することができます。
顧問様からのご相談は、優先的かつスピーディーに対応します。
(2)紛争処理の委任
ビジネスでは交渉は必要不可欠であり、取引相手からの要求が自社の利益に反すれば紛争となることも有り得ます。そうした時、迅速かつスムーズに弁護士に依頼することができます。
(3)中小企業に対する施策利用の支援
国(中小企業庁)は、毎年、予算を講じて中小企業向けに多くの施策を行っています。利用可能性の検討、申込書類の作成支援を行っています。
なお、平成26年度は、小規模事業者の経営支援、開業支援、海外展開支援などが注目されています。
主な取り扱いサービス
1.契約書
権利実現のための確実な手段は、裁判(訴訟)によって決着をつけることです。しかし、裁判を最後まで継続するだけの経営体力に乏しいのも、中小企業・小規模事業者の現実です。
そこで、取引相手と締結する契約書を、自社にできるだけ有利に作成しておくことが必要です。市販の書式を利用することも可能ですが、大事なのは、契約書の条文が自社に有利になるのか、不利になるのか、を理解しておくことです。
中小企業・小規模事業者が取り扱う契約書には、次のようなものがあります。
- 仕入れや受注にあたり、正式な契約書の代わりとなるもの
→発注書・受注書
- メーカーが部品の納入業者と締結する
→取引基本契約書
- メーカーが製品を第三者に売って販売を任せる
→販売店契約書
- 商品、ソフトウェアの開発を委託(受注)する
→開発委託契約書
- 広告、ホームページの制作を委託(受注)する
→業務委託契約書
- 自社の保有するソフトウェアの使用を認める
→ソフトウェア・ライセンス契約
- 自社の技術情報、営業秘密を取引相手に提供する
→秘密保持契約
2.資金繰り・事業再生
企業は、現金(キャッシュ)が尽きた時点でアウトです。しかし、他に取りうる手段がないわけではありません。破産は最後の手段です。
- 金融機関に対するリスケジュール申請
- 中小企業再生支援協議会の利用
- 事業譲渡、第2会社方式
- 民事再生の申立て
いずれも、利害関係者の同意を得られるだけの改善計画を立てられるか、がポイントです。個々の会社の状況に応じて、メリット、デメリットの両面があります。利用可能性を慎重に検討する必要があるので、資金繰りに不安を感じたらお早目にご相談下さい。
3.売掛金の回収
弁護士による回収の方法は、交渉と裁判(訴訟)があります。
(1)交渉
交渉による解決が望ましいのは、次のような場合です。
- 相手方に支払う意思があり、回収資金の説明に合理性がある
例)取引先からの入金が確実にある - 裁判に打って出た場合、証拠上の不備を指摘されるおそれがある
例)発注書、納品書に不備がある。
(2)裁判(訴訟)
交渉可能性なければ、早々に裁判を起こすことになります。
裁判は時間がかかるのではないか?と思われる方もいると思います。しかし、2~3回の期日で決着することも少なくありません。
- 確実な証拠を持っていること
- 相手方から法的な反論が出てきそうにないこと
※「返すお金がない」ことは、反論にはなりません
最大のメリットは、判決には強制力があることです。相手方が判決で命じた支払いを拒否すれば、預金や売掛金に対して差押えができます。
裁判の途中で、和解によって解決することもあります。この時に作成される「和解調書」にも、判決と同じく、強制力があります。
当事務所では、勝訴可能性と回収可能性を検討して、裁判による債権回収を積極的に行います。
(3)仮差押え
裁判を続けている中で、相手方が資金繰りに窮して財産を処分するリスクがあります。
裁判を起こす前に勝手に財産を処分されないようにする手続きが「仮差押え」です。
裁判所に申立書を提出して、仮差押えの理由と必要性を説明します。債権額の20%前後のお金を担保として供託する必要があります(裁判が終わると返還されます)。
仮差押えは、債権回収の実効性を上げるために有効ですが、裁判よりも専門知識を要しますので、当事務所にご相談下さい
(4)取引先の倒産時の回収
少しでも多くの回収を目指すことになりますが、他方で、抜け駆け的な方法を取ると破産手続きに入ってから返還を求められることになりかねません。
- 回収の確実性が高くて安全な方法として、まず、相殺 を検討します。
→相殺の要件を満たすか?相手に相殺意思を伝えられか?
- 営業担当者が悩まれるのが、商品の引き上げ、です。
→相手方に返品伝票(赤伝票)をどのように発行してもらうか?
- 売買契約書の中に、所有権留保、の条項を入れておけば、納品した商品の所有権を主張できます。ただし、買主の確認なくして持ち帰ると窃盗罪になりかねません。
- 商品が相手の手元にあれば、動産売買の先取特権、を主張できます。
転売されても、転売先に対する代金に対して、動産売買の先取特権、を主張できます。
ただし、裁判所の競売手続きを利用する必要があり、書類も厳格であることから実現には困難を伴います。
4.労務問題
「ブラック企業」のフレーズが一般化していることからも分かるように、労働者の権利意識、労働環境に対する関心は格段に高まりました。厚生労働省が実施した調査(平成25年12月発表)から浮かび上がってくるのは、次のような労務問題です。
- 残業代
- 営業成績などを理由とする減給(労働条件の切り下げ)
- 36協定を超える長時間の時間外労働
また、従業員の解雇が争いとなり、労働審判、裁判まで発展することも続いています。
労働者の処遇は会社の自由ではありません。いったん起きた問題に対しては、早期に対処する必要があります。他方で、問題社員に対しては、法律に基づいて対応することも可能です。
5.事業承継
経営者が強く関心を持っているのは、相続時の節税のようです。しかし、本当の目的は、後継者に会社の支配権を完全かつ円滑に移すことにあるはずです。当事務所では、税理士や公的機関と共同して、貴社の事業承継に取り組みます。
例えば、「3人の子どものうち、長男を後継者にする」とします。
ポイント1 何を承継させるのか?
会社の支配権とは、株式の数です。会社が発行する株式のうち、少なくても3分の2は後継者に持たせたいところです。
また、事業用資産も承継させる必要があります。中小企業・小規模企業では、事業用資産=経営者の資産であることも珍しくありません。
ポイント2 承継させる方法は?
株式と事業用資産を承継させる方法には、望ましい順番から、
- 売買契約
- 生前贈与
- 遺言
が挙げられます。ただし、資金的な問題から、実際には売買契約によることは少ないです。
ポイント3 後継者でない者への配慮
後継者には、遺言によっても侵害されない遺留分があります。生前贈与を使っても、遺留分の問題は有り得ます。遺留分は、税金以上に大きい問題であることを認識する必要があります。
ポイント4 会社法を活用した株式集中対策
遺言だけでは経営者に全株式を取得させることが難しいときでも、通常とは異なる株式を発行することにより、後継者の支配権を確立することができます。
- 議決権制限株式
- 拒否権付種類株式(黄金株)
また、定款の中に「相続人に対する売渡請求」条項を設けることも考えられます。
いずれを取るにしても一長一短があるので注意が必要です。
ポイント5 経営承継円滑化法の活用
国は「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」を制定して、事業承継をバックアップしています。
- 金融支援
- 相続税、贈与税の納税猶予制度
- 遺留分に関する特例
6.不動産取引・管理
中小企業・小規模事業者は、不動産の取引・管理に日常的に関わっています。
- 本社ビルの購入、工場用地の取得(不動産の売買契約)
- 営業用マンションの賃貸、本社ビルの賃借(不動産の賃貸借契約)
- 所有不動産を対象とした再開発計画への対応
- 担保不動産からの債権回収(不動産競売申立て)
不動産取引では契約書の記載が特に重要です。
不動産の管理では、相手の対応次第では、法律上の手続きを検討する必要があります。交渉のときから早めにご相談下さい。
7.下請取引
自社が「下請けいじめ」を受けていると思われる場合、相手が下請法に違反している可能性があります。
親事業者は、次のような行為が禁止されています。
- 下請業者に責任がないのに、代金を減額すること(代金減額)
- 支払期日を過ぎても代金を支払わないこと(支払遅延)
下請業者であっても、契約書の不備や下請法の規定を指摘することで、親事業者と上手く交渉することが可能です。
裁判外紛争手続(ADR)を利用して話し合いをすることもできます。当事務所が代理人となりますので、ご相談下さい。
弁護士費用
1.顧問料
中小企業 | 3万円(消費税別)~ |
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小規模事業者 | 1万円(消費税別)~ |
2.個別案件のご依頼
案件の「経済的利益」に応じて、着手金と報酬金を定めます。「経済的利益」は、案件の請求金額、不動産価額などの金額が元となります。
着手金 | 委任契約の締結と併せて、お支払い頂く費用です。 なお、通常の案件の着手金の最低金額は10万円です。 |
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報酬金 | 当初の目標に対する成功の程度に応じて受け取る費用です。案件が終わって経済的利益が確定した後に協議して決めます。 |
経済的利益 | 着手金 | 報酬金 |
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300万円以下 | 8% | 16% |
300万円超3000万円以下 | 5%+9万円 | 10%+18万円 |
3000万円超 | 3%+69万円 | 6%+138万円 |
実際には、上記の目安となる金額を踏まえて、事件の難易度、ご依頼者様の事情により、金額はご相談の上で決定します。