交通事故
交通事故で、お困りではないでしょうか?
これまで受けてきたご相談には、次のようなものがありました。
- 事故から3カ月経過して、保険会社が示談を強く勧めてきました。示談しないといけませんか?
- 保険会社から示談の提案を受けたが、慰謝料が低いと思う。どうしたらいいですか?
- 保険会社から、むち打ちは後遺症にはならない、と言われました。本当ですか?
- 後遺症の認定を受けました。逸失利益を請求できるそうですが、計算の仕方が分かりません。
- 家族が死亡事故に遭いました。保険会社とも加害者とも会いたくありません。
弁護士に相談・依頼するメリットは
1.けがの治療に優先して取り組むことができる
一番大事なことは、じっくりと治療を受けることです。
しかし、治療には時間がかかります。
継続的にご相談されることによって不安を和らぐことができます。
2.保険会社と対等の立場で交渉できる
被害者の方は「どうしていいか分からず、不安だ。」と言います。
初めてのことだから、当然です。
弁護士に交渉を依頼することにより、正当な金額での示談を目指すことができます。
また、当事務所では、ご自身が交渉するにあたってのアドバイスを行っています。
3.最後は、裁判で決着をつける
交渉を続けても、金額の差が埋まらない場合もあります。
金額の差が数百万円に及ぶこともあります。
当事務所では、不本意な金額での示談を進めることはしません。
また、裁判をお勧めするときでも、事件の見通しなどを丁寧にご説明します。
ケースのご紹介
鎖骨骨折のために、肩関節の機能障害がのこり、後遺障害12級が認定された。
治療費、交通費、休業損害は支払い済みです。
受任する前の提示額 | 示談解決金額 | |
---|---|---|
入通院慰謝料 | 100万円 | 179万円 |
後遺障害慰謝料 | 93万円 | 290万円 |
逸失利益 | 170万円 | 230万円 |
合計 | 363万円 | 699万円 |
336万円のアップ! |
示談に至るまで。まずは治療に専念
1)初診
「主治医」の先生の意見は、示談に至るまで重要。
2)治療
主治医の先生とよく話し合い、治療に専念。
治療費、交通費、休業損害は、保険会社が先行して支払ってくれることが多い(内払い)。
接骨院に通う場合でも、主治医の指示を受けておくこと。
3)示談
治療が終わった段階で、後遺症の有無を検討。
後遺症がありそうな場合は、後遺症の診断・判定の手続きへ。
後遺症がない場合は、保険会社と示談交渉へ。
保険会社からの提案書を分析
多くのケースでは、保険会社から、示談の提案書が書面で渡されます。
提案書には、項目別に金額が並んでいます。
治療費 | |
---|---|
交通費 | 電車、タクシー |
雑費 | |
文書料 | 診断書の費用 |
休業損害 | |
入通院の慰謝料 | 「通院期間○日、実通院日数○日」などと記載 |
1)治療費
多くのケースでは、保険会社が病院に直接支払っています。
治療費が未払いのケースは、治療費の妥当性で争いになる可能性があります。
2)休業損害
自営業者や主婦のケースで交渉を要するところです。
サラリーマンの場合は、基礎となる金額は決めやすいです。ただ、休業の期間で争いになることはあります。
3)入通院の慰謝料
慰謝料は、入院と通院の日数から金額を計算します。
弁護士が交渉するときは、東京地方裁判所の実務で使用される表を使います。
保険会社も、入通院の日数から金額を算定してきます。
しかし、通常は、より低い金額が提示されます。
提案書に「4,200円×○○日=○○万円」と書かれてあることがあります。
これは、自賠責保険(強制保険)の金額が、そのまま使われています。
慰謝料が100万円に満たないケースでよく見受けられます。
また、提案書に「任意保険基準で計算 入院○カ月、通院○カ月」との記載も見受けられます。
任意保険基準は公開されていませんが、裁判基準よりも低くなっています。
期間が長くなるほど、金額の開きも大きくなる傾向にあります。
後遺障害のないケースでは、「慰謝料の増額」が最大の目標です。
当事務所では、裁判所基準に則した解決を目指しています。
後遺障害が獲得できるかを検討する
多くのご相談者は、休業損害などに目が向きがちです。しかし、賠償金額トータルでみれば、後遺障害による賠償金が占める割合の方が大きいのです。
後遺障害は、傷害の部位、程度、重さに応じて、1級から14級に分けられています。
ただし、全ての申請が認められるものではありません。
「むち打ち」の場合、最下級の14級ですら認められないこともあります。
後遺障害の申請は、治療が終わった後に行います。
事故から6カ月経過すれば申請可能ですから、治療を終えるタイミングを主治医とよく相談して下さい。
後遺障害の認定には、主治医が作成する「後遺障害診断書」の記載が決定的に重要です。
検査の内容や画像診断について、的確に書いてもらう必要があります。
後遺障害を申請する前から、当事務所までご相談下さい。
病院に同行して後遺障害診断書の作成をお願いすることもあります。
後遺障害を得られた場合、保険会社からの提案書には、上記の金額に加えて以下の記載がなされています。
後遺障害の慰謝料 | ○万円 | ○○級、任意保険基準 |
---|---|---|
逸失利益 | ○○万円 基礎収入○万円×労働能力喪失率○%×喪失期間○年 |
慰謝料は、後遺障害の等級に応じて基準があります。交渉次第で増額も得られます。
逸失利益は、事故や被害者によって金額が大きく変わってくるところです。
上の計算式を見てください。3つの数字の掛け算で決まります。
それぞれの数字が大きいほど、結果の逸失利益は高くなります。
難しいのは、「労働能力喪失率」と「喪失期間」が一律に決められないところです。
同じ12級でも、傷害の部位によって喪失率と喪失期間が異なることもあります。
逸失利益は、すべての損害項目の中でも、金額が一番大きいところでもあります。
保険会社と意見が強く対立するところです。
当事務所では、類似の裁判例を踏まえて、後遺障害賠償額の最大化を図っていきます。
裁判による解決が有利であれば、丁寧にご説明の上、裁判をお勧めしています。
被害者に有利な制度
交通事故は、一般の民事事件と比べて、被害者に有利となる制度があります。
1.自賠責保険の被害者請求
自動車保険には、自賠責保険と任意保険の2つがあります。
事故が起きた後、貴方のところに連絡が来るのは、任意保険の担当者です。
任意保険との示談交渉が難しいとき、いきなり裁判をおこすこともできます。
しかし、裁判の前に、自賠責保険会社に被害者請求を行うことができます。
通常であれば、請求から1か月半程度で支払われます。
自賠責保険は、金額の上限が定められています(傷害120万円、死亡3000万円)。
なので、通常、被害者が請求しうる金額には届きません。
そこで、被害者請求後に、加害者に対して本来あるべき賠償を求めていきます。
被害者請求の難点は、必要な書類がたくさんある点です。
任意保険会社は代理してくれないので、自分で被害者請求する必要があります。
当事務所では、被害者請求の手続きも代理して行います。
裁判に必要な弁護士費用や実費で心配する必要はありません。
2.弁護士保険特約
被害者が契約している損害保険には、「弁護士費用担保特約」(弁護士保険特約ともいいます)が付されていることがあります。
これは、弁護士に依頼するときの費用(法律相談、着手金、報酬金)を支払ってくれるものです。
最大300万円までする契約が多いようです。
自分でなくても家族が契約していれば、使える場合もあります。
弁護士保険特約を利用しても、保険料は上がりません。
3.健康保険
「加害者が任意保険に入っていない。治療も長くなりそう。」
こういった場合は、病院の窓口で健康保険を使うことを伝えたほうがよいです。
まれに断る病院がありますが、その方が病院の利益になるからです(自由診療といいます)。
しかし、交通事故でも健康保険を使うことはできます(厚生労働省の通達があります)。