債権回収
貸付金の回収を例に説明します。
交渉による解決
- 相手方が返済を拒んでいるとき、相手方と連絡がつかないときは、裁判を起こすほかないケースが多いです。
他方、交渉による解決が望ましい場合もあります。
- 一応の支払いの意思を見せており、支払能力もある(会社員で給与収入がある)
- 裁判に打って出た場合、証拠上の不備を指摘されるおそれがある。
例)借用書の記載があいまい。現金で手渡しで渡していた。 - 支払い能力がないが、保証人になる人がいる。
当事務所では、弁護士が受任した旨を内容証明郵便で通知し、早期の回収を図ります。
弁護士でなくてもできる法的手続き:少額訴訟
60万円以下の金額であれば、1回の期日で終えることができる「少額訴訟」を使えます。
必要な書類は、裁判所のホームページからダウンロードできます。
判決には、強制力があります。
ただし、相手方が望めば通常訴訟に移行すること、裁判所が相手方の資力を考慮して分割払いを命じることもあること、には注意が必要です。
裁判(訴訟)
貸付金の回収において、最も効果的な手段は裁判です。
相談例の多くは、事前に交渉が行われているので、その状況を聞いて交渉可能性がなければ、早々に裁判を起こすことになります。
裁判は時間がかかるのではないか?と思われる方もいると思います。
しかし、次のような場合は、2~3回の期日で決着することも少なくありません。
こちらが証拠(消費貸借契約書など)を持っていること。
相手方から法的な反論が出てきそうにないこと。
※「返すお金がない」ことは、反論にはなりません。
分割払い等の要望を受け入れる用意があること。
一番のメリットは、判決には強制力があることです。
相手方が判決で命じられた支払いを怠った場合でも、給料の差押え等が一方的にできます。
金額が大きい場合には、不動産を競売にかけて回収を図ることも可能です。
裁判の途中で、和解で解決することもあります。
裁判の半分以上は、和解で終わっています。この時に作成される「和解調書」にも、判決と同じ強制力があります。
当事務所では、勝訴可能性と回収可能性の両方を検討して、裁判による債権回収を積極的に行います。
判決が出た後の回収手続きも行います。預金、給与、不動産に対する強制執行によって債権回収の実現を図ります。
仮差押え
仮差押えが必要となるときは?
相手方が返済を拒む理由として、次のような反論を出すことがあります。
- 「そもそも借りてない」
- 「すでに返している」
- 「こちらの貸金も返してほしい」
裁判を続けている途中に、相手方が預金を引き出したり、財産を売ってしまうことも考えられます。それでは、勝訴判決を得ても強制執行の対象がない事態があります。
そこで、相手方に勝手に財産を処分されないようにする手続きが「仮差押え」です。
申し立ての方法
裁判所に申立書を提出して、仮差押えの理由と必要性を説明します。
通常の裁判と異なり、相手方には申し立てがあったことは伝わりません。ですから、裁判官に納得してもらえるだけの資料を出す必要があります。
なお、申立てには、請求金額の20%前後のお金を担保として供託する必要があります(裁判終了後に返還されます)。
仮差押えは債権回収の実効性を上げるために有効ですが、裁判以上に専門知識を要しますので、当事務所までご相談下さい。